2016年10月13日木曜日

【そうだったのか!TPP-Q6】交渉過程が秘密なのは、外交だから仕方ないのでは?

Q6.交渉過程が秘密なのは、外交だから仕方ないのでは?

A6.いまだかつてない秘密主義です。民主主義に反します


  TPP交渉は、異常ともいえる秘密交渉が貫かれてきました。交渉参加前には「秘密を守ります」と約束する保秘契約書へのサインが求められ、交渉中は国民はもちろん、与党の国会議員でさえ協定文案を見ることができませんでした。一方で、アメリカの大企業やロビイストたち約500人は、「貿易アドバイザー制度」を通じて自分たちの要求を協定文に盛り込んできたのです。

 秘密主義の背景にはアメリカの意向が強くあります。WTO(世界貿易機関)や他のFTAと同じレベルで国民や業界団体、市民社会に情報を開示すれば、多様な意見が出てきて交渉がまとまらない、だから今後は秘密にする、というのがアメリカの考えでした。以降、多くの貿易交渉で秘密交渉がスタンダードになりつつあります。

 大筋合意後、TPP協定文は公開されましたが、日本語に訳されたものは3分の1程度。交渉の過程を記載した文書は発効後も4年間は秘密とされています。2016年4月のTPP国会批准審議で、野党議員が甘利氏と米国フロマン氏の交渉内容を情報開示請求したところ、出てきた文書は「真っ黒塗り」。政府は「外交だから仕方ない」と答えていますが、これまで日本が行なってきた貿易交渉の中でTPPほど秘密主義の協定はありません。


 2015年3月、野党議員が「TPPのように『秘密保持契約』に日本がサインをした交渉は過去あったのか」と質問すると、外務省の斎木尚子経済局長は「TPP以外に例はない」と答えています。日本はどんな交渉をして、何を得て、何を失ったのか? 国民の様々な疑問に対し、政府は答える責任があります。

 「知る権利」を奪い、民主主義の根本を揺るがすTPPの秘密主義を、改めて問われなければなりません。(内田聖子)

★大好評のブックレット「このまま批准していいの?続・そうだったのか!TPP 24のギモン」。学習会やイベントのテキストとしても最適です。注文はこちらから。

0 件のコメント:

コメントを投稿