監視と管理が進み、表現が萎縮する恐れ
日本は、著作権分野において、下記のような米国の当初提案をほとんど受け入れてしまいました。
①著作権保護期間を現行の50年から70年に延長
②非親告罪化
③法定損害賠償制度の採用
関連する国内法の改正も求められています。
日本の著作権使用料の収支はすでに年8,000億円の赤字。保護期間が延長されれば、過去の作品が二次利用されずに埋もれてしまう「孤児作品」が増 える懸念があり、延長には経済的なメリットもありません。
また現在、日本では著作権侵害は、著作者自身が告訴しなければ起訴・処罰ができない「親告罪」となっていますが、これが第三者からの通報があれば捜査・ 起訴できる「非親告罪」となることで、二次使用だけでなく、一次クリエイターの自由な創作・表現もが萎縮する危険性もあります。
さらに法定損害賠償制度の採用によって、実損害のみを賠償金としていた日本の制度が、莫大なペナルティ的賠償金を課せられるようになってしまいます(米国では1作品で上限15万ドル)。
★より詳しく知りたい方は「TPPテキスト分析レポート」へ
http://www.parc-jp.org/teigen/2016/TPPtextanalysis_ver.4.pdf
【関連する協定文】
第18 章 知的財産
●第 18.63 条(a)(中略)保護期間は、著作者の生存期間及び著作者の死の後少なくとも70 年とすること。●第 18.74 条 6 項 各締約国は、民事上の司法手続において、(中略)権利の侵 害に関し、次のいずれか又は双方の損害賠償について定める制度を採用し、又は維持する。(a)(中 略)法定の損害賠償(b)追加的な損害賠償