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■■ \\ メールニュース TPP批准にSTOP! Vol.16 // ■■
■ 11月19日発行 ■
※このメールニュースはこれまでTPPテキスト分析チームのブックレットや集会にご参加くださった皆様をはじめTPP阻止の取り組みでご一緒した皆さまにお送りしています。ご不要な場合は管理者宛て(末尾)にご連絡ください。
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1.政府与党は11月中の批准を目指す?
ありえない拙速審議
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11月14日から始まった参議院での審議は、引き続き異例の速さで進んでいます。
17日(木)には水戸と帯広で急きょ地方公聴会が行われましたが、十分な周知期間もない中ですから、一般の人たちも関係者の多くも参加がかないませんでした。また来週には、衆議院では行わなかった中央公聴会が行われることとなり、安保法制可決の際に見た、公聴会直後の強行採決もありえると思わざるを得ません。つまり、政府与党は、12月に会期延長をすることなく、11月中の批准を狙っていると思われます。
米国大統領選挙でトランプ氏が勝利したことで、TPPの先行きはますます不透明になっていますが、しかし、TPPが「死んだ」わけではありません。トランプ氏は「現行のTPPには反対」を掲げ、場合によっては日本との二国間協議を先行させることもにおわせています。このような中で、あえてTPPの批准を強行しようという安倍政権は、日本をいっそう危険な道に陥れかねません。衆議院での異常な運営の上に、参議院では審議が始まったばかりなのに中央公聴会など出口の協議を始めることも認められません。審議の中で政府は「懸念には及ばない」を連発しながら、その根拠を示せない答弁が続いています。また、分野毎の参考人質疑もまだ一回しか行っていません。十分な審議と国民の疑問に真摯に答えることこそ必要です。
さて米国ではどのような状況になっているのでしょう。
米国市民社会でTPPに反対していた仲間たちは、もちろんトランプ支持ではありませんでした。トランプ氏の政策は、一見、グローバル企業の富の支配をやめさせるようにも見えますが、例えば環境政策は「パリ条約からの撤退」「オバマ時代の環境規制を破壊し、巨大なインフラ工事を進める」など、米国のTPP反対を牽引してきた環境団体が到底受け入れられない内容です。また「法人税を35%から15%に引き下げる」「海外に蓄積した資産を米国にもってくる場合はさらに10%減税」など、大企業にとってはありがたい政策もあります。さらに周知のように、トランプ氏の排外主義、差別容認、女性やマイノリティ蔑視は、米国市民社会の価値を根幹から揺るがすものです。
大統領選後、米国の市民団体は、「TPPは死んだ。しかしそれはトランプによってではなく、私たち草の根の運動の6年間の成果だ」と次々と表明しています。また環境団体シエラ・クラブは、「これから6年間、毎日毎日、トランプとの闘いだ」と表明、ただちに大キャンペーンを開始しています。トランプのもとでの政権移行チームには、大手製薬会社ファイザーやゴールドマン・サックスの代弁者であるロビイストや、自由貿易推進の共和党議員、石油開発企業の関連者などが次々と登用されています。こうしたメンバーからの影響で、トランプの政策は今後、変化をしていくと思われます。こうした状況に対応し、社会的・経済的に公正で平等な貿易のあり方を、今米国市民社会は必死に模索しようとしています。私たちもこの動きに呼応していくべきだと強く感じます。
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2.国会周辺での抗議行動
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「TPPを批准させない!全国共同行動」は、参議院審議の山場に向けた国会周辺での抗議行動について、以下のとおり、決定しました。
▼参議院での審議日程
・11月18日(金)=農業を中心に参考人質疑
・11月21日(月)22日(火)=一般質疑
・11月24日(木)=13時~安倍首相の帰国を受けて集中審議(TV中継)
・11月25日(金)=13時~中央公聴会(公述人募集の件は後述)
※その先は未定ですが、政府・与党は11月末の会期内の通過をねらっていますので、警戒が必要です。
▼この審議日程を受けての抗議行動
・11月24日(木)、25日(金)、28(月)、29日(火)、30日(水)はいずれも参議院議員会館前座り込み抗議行動、傍聴行動
12時~17時(委員会の終了をめどとします)
・11月30日(水)=水曜日行動を予定通り行います。
17時~18時=市民と国会議員の情報交換会(衆議院第1議員会館多目的ホール)
18時30分~=参議院議員会館前座り込み抗議行動
▼参議院TPP特別委員会での中央公聴会公述人公募について
・11月25日(金)の中央公聴会での公述人の公募が、11月22日(火)正午を締め切りに始まりました。積極的に応募しましょう。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/ugoki/h28/tpp-kochou2811.html
■参議院の審議はインターネットでも見られます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/sp/index.php
●呼び掛け:TPPを批准させない!全国共同行動
http://nothankstpp.jimdo.com/
▼フェイスブック
https://www.facebook.com/tppfes/
▼ツイッター
https://twitter.com/NoThanksTPP
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3. 国内各地の抗議アクション
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参議院での審議が着々と進む中、こんなのおかしい!と全国各地で市民が抗議のアクションを起こしています。今回は、三重・鈴鹿から高校生に向けた講演会の情報をいただきました。お近くの方、ぜひご参加ください。
また、引き続き、全国各地の抗議アクションの情報を紹介していきたいので、情報がありましたらお寄せください。すでに行なったことの報告などでも大歓迎です。kokusai@parc-jp.org まで。
(以下転載)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TPP講演会に是非ともお出かけを!
講師の石原洋介さんは全国でも活躍する、TPPの三重の第一人者でもあります。「TPPとわたしたちの未来」と題して、分かりやすく、熱く語っていただきます。石原先生は今回の講演を前に、
「TPPは内容を知れば知るほど、わたしたちの未来を脅かす怖ろしい規定が数多く含まれていることが分かります。多国籍企業のどう猛な利益追求の前に、私たちの生活を生け贄に捧げるための協定といっても過言ではありません。ひとりでも多くの人にTPPの正体を伝え、TPP反対の声を広げていくことで、政府に圧力を加え、わたしたちの未来を守り抜きましょう」
というメッセージをくださっています。
ところが現在、参加をしようという方は30名。会場は200名の会場です。「TPPの中身を少しでも知り、ここ鈴鹿で、できることをして、何としても廃案にもちこみたい!!」
どうぞ、万障繰り合わせて、お友だちも誘って、是非、お出かけ下さい。心からおいでをお待ちしております。
講演会「TPPとわたしたちの未来」
講師:石原洋介さん(三重短期大学教授)
日時:11月23日(水・祝)13:30~16:00
場所:鈴鹿市文化会館 さつきプラザ
主催:鈴鹿革新懇
連絡先:090-4269-0965 hagi1922@tcp-ip.or.jp
※会場では『そうだったのか!TPP 24のギモン』も100円でお分けします。
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4. 山本太郎氏の質疑
「TPPは投資仲裁村の利益拡大手段」
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11月14日(月)、参議院TPP特別委員会にて、山本太郎参議院議員がISDS条項に関する質疑を行ないました。国際仲裁機関「ICSID(イクシッド)」のことや、ヨーロッパのNGO団体が共同で行った投資仲裁に関する調査結果が書かれているレポート「プロフィッティング・フロム・インジャスティス」などについて触れています。
その文字起こしと動画がツイッターなどでも多数拡散されています。山本太郎さんの舌鋒鋭く、わかりやすい質疑。ぜひごらんください。
「ISDS、主権侵害そのものなんですよ。そのことをよく自民党の皆さんは野党時代、御存じだったはずですよ。TPPは国の主権が奪われる、TPPは日本文明の墓場、そんな発言していた人間たちが現在政権の閣僚を務めているって。政権取った後、手のひらを返してTPP大推進。恥を知るという意味分かりますかね。国家の私物化をやめていただきたいんですよ」
「まさに特定の人たちで事件を処理するという仲裁村、仲裁人クラブというのが存在する。このような欧米人サークル、先ほども言っている仲裁村、仲裁人クラブの中に、国際仲裁廷で何度も戦ったことがある、そんな経験のあるベテラン、即戦力となる人、日本の国益を代表できる弁護士さん、日本人がいるのか」
●●山本太郎「TPPは投資仲裁村の利益拡大手段」●●
文字起こし(全文)
http://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/6144
動画(約20分)
https://www.youtube.com/watch?list=PLZTrYt7iArOtAZF-cKlyWgeRdI7DngGNW&v=ikvmly7sd_E
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5. ジェーン・ケルシー講演録
「TPP協定を履行することが意味をなさない理由」
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10月31日、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」主催で、ニュージーランドのオークランド大学教授ジェーン・ケルシー氏の講演会を開催されました。そのときの講演録が公開されています。
ケルシー教授は、5つのテーマに沿って話しています。ぜひご一読ください。
1.世界中でTPPに似た協定に反対する揺れ戻しが起きている背景に何があるのか。
2.TPPの参加国に何が起きているのか。
3.どの国にとってもTPPを履行すべきではない理由は何なのか。
4.なぜ日本とニュージーランドは法案を強行に通そうとしているのか。
5.この間違いを犯すことが、私たち市民や民主主義に何をもたらすのか。
http://tpphantai.com/info/20161117-jane-kelsey-talks-reasons-why-it-is-meaningless-to-implement-tpp/
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6. TPPに反対する全世界の看護師はじめ
医療従事者の共同宣言
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11月17日(木)、全米看護師連合会(NNU)の呼びかけで、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど7か国(11/1現在)の労働組合や諸団体による「Stop the TPP! 医療労働者による 11・17 TPP反対グローバルアクション」が行なわれました。その際、以下の声明が発表されたので紹介します。
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世界中の看護師と医療従事者は、患者の支援者として、よりよい医療や安全な患者ケア、経済と社会正義のために立ち上がります。私たち看護師と医療関係者の労働組合は、12ヶ国間で交渉されているTPPが、公衆衛生や労働基準、消費者の安全に危害を与え、貧困問題を加速化させ、環境破壊や気候変動に悪影響を及ぼし、さらに私たちの社会や経済における企業支配を確立させてしまう懸念を抱いています。
TPPは、安価な医薬品を手に入りにくくさせます。製薬企業は、安価で患者の生命を救うジェネリック医薬品の流通を阻止するために、特許で保護されている薬に高額な価格を独占的に設定する権利が与えられることになります。世界中の、特に癌やHIV/AIDS、肝炎などの病気で苦しんでいる患者には命を脅かす大きな問題です。同時に、TPPは、政府がコスト削減のために、一括購入で薬価を低く抑える交渉を認めている国内の法律や規定を覆すことのできる法的権限を製薬会社に認めています。
また、TPPは国民を危険な食品や製品にさらすことになります。肉類、家きん、魚介類、野菜への農薬や添加物の使用を厳しく罰する食品衛生法のある国では、このような規制を「不当な貿易障壁」に当たるとされ、そのため危険な食品や製品に脅かされることになります。公益団体が指摘したように、原産国表示や成分表示などの食品に関する表示の要不要も、一部の大企業の利益のためにリスクにさらされています。
水質汚染や大気汚染を含む環境汚染、労働災害は、広範で深刻な病気と関係しています。同時に、温室効果ガスや化石燃料の使用は、環境破壊を引き起こし、人類の公衆衛生を脅かす唯一最大の脅威です。TPPは化石燃料や石油化学、鉱業業界などの企業活動に対し、安全衛生や環境保全を法律上無効にし、政府を訴えることのできる法的権限を拡大させています。同様に、国際的なGHG(温室効果ガス)削減対策も弱体化させます。その結果、すべての生命が依存している自然環境や気候システムの破壊を加速させているのです。
最後に、TPPは民主主義や国家主権をも弱体化させます。国の立法府のメンバーでさえもアクセスを制限された中で、何百もの大企業が秘密裏にTPPの起草に参加してきました。企業に支配された貿易仲裁廷などの法的拘束力のあるメカニズムを通して、選挙によって選ばれた代表者たちによって民主的に成立した法律を無効にし、企業は膨大な利益を獲得するでしょう。企業はまた、法律が公衆衛生や公共情報、公共の利益を保護している場合であっても、貿易や利益を妨げる障壁であると主張して、政府を訴えることのできる力を持ち、何億ドルもの税金で賄われる賠償を要求するでしょう。このような条約を伴うTPPが批准されたなら、影響するすべての国々で国家主権や民主的権利が多大なダメージを受けることになるでしょう。
これらすべての理由により、私たちは、すべての患者、そして私たちの社会のために、それぞれの政府に対して、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)批准をやめるよう訴えます。
医療団体連絡会議
新医協
全国保険医団体連合会
全日本民主医療機関連合会
日本医療福祉生活協同組合連合会
日本医療労働組合連合会
共同宣言に賛同する世界の看護・医療労働組合
メキシコ看護師全国会議 Asamblea Nacional de Enfermeras y Enfermeros de México
オーストラリア看護師助産師連合 Australian Nursing and Midwifery Federation
カナダ看護師連盟 Canadian Federation of Nurses Unions
ケベック医療労働者連盟 Fédération Interprofessionnelle de la santé du Québec
ペルー保健省看護師連盟 Federación de Enfermeras del Ministério de Salud del Perú
日本医療労働組合連合会 Japan Federation of Medical Workers’ Unions (再掲)
全米看護師連合 National Nurses United
ニュージーランド看護協会 New Zealand Nurses Organisation
(アルファベット順・11月1日現在)
2016年11月17日
TPPに反対する看護師はじめ医療従事者のグローバルアクション
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7. 大好評で6万部突破!
ブックレット「そうだったのか!TPP」
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TPPテキスト分析チームが8月に刊行したブックレット「そうだったのか!TPP」は、発売以来、全国から注文が相次ぎ、増刷を続け6万部に達しています。学習会などでご利用いただいていますが、まだまだ多くの方にお読みいただきたいと願っています。
※TPPの中身をわかりやすく、24のQ&A方式でまとめています。学習会やイベントでTPPの問題を考えるテキストとしても最適です。
※本ブックレットは、1部100円(送料別、注文は5部以上)で販売しております。また全ページ、PDF版で閲覧可能です。
ぜひお読みいただき、TPPについて考えるきっかけとしてご利用ください!
★詳細・ご注文は→
http://notppaction.blogspot.jp/2016/08/tppq.htm
■■■TPPテキスト分析チーム■■■
●わかりやすい&かっこいい動画ができました!ぜひ拡散を!
「2分でわかるTPP」
https://www.youtube.com/watch?v=RiZ0COxQSHs&feature=youtu.be
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編集後記
ベトナムのグエン・スアン・フック首相は、17日、TPP批准案の国会への提出を中止した、と報道されています。米国がTPPの年内批准を断念すると発表したことが理由だそうです。米国の現在の情勢からすると当然のことだと思います。帯広と水戸で行なわれた地方公聴会でも「米国(トランプ)の出方を見て」という意見が多かったようです。日本のお家芸「空気を読むこと」をこういうときは発揮しないのか!と訝ってしまいます。一方、山本太郎さんの国会での「空気を読まない」質疑はいつもながら拍手!アッパレ!です。ICSIDのことは私自身大変勉強になりました。(柴田麻里)
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【編集】アジア太平洋資料センター(PARC) 内田聖子/柴田麻里
【発行】TPPテキスト分析チーム
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