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2016年11月26日土曜日
メールニュース TPP批准にSTOP! Vol.18 参議院中央公聴会「審議の中止」を求める意見が相次ぐ
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■■ \\ メールニュース TPP批准にSTOP! Vol.18 // ■■
■ 11月26日発行 ■
※このメールニュースはこれまでTPPテキスト分析チームのブックレットや集会にご参加くださった皆様をはじめTPP阻止の取り組みでご一緒した皆さまにお送りしています。ご不要な場合は管理者宛て(末尾)にご連絡ください。
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1.参議院中央公聴会
「審議の中止」を求める意見が相次ぐ
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11月25日、参議院TPP特別委員会での中央公聴会が開催されました。参議院では着々と審議が進められており、先週の地方公聴会(茨城・北海道)に引き続いての中央公聴会開催に、「その後すぐに採決されるのでは」という懸念も一部にありました。
公述人は、野党側からは内田聖子(アジア太平洋資料センター共同代表)、萩原伸次郎氏(横浜国立大学名誉教授)、与党側からは根本勝則氏(経団連常務理事)の他、公募にて住江憲勇氏(医師・全国保団連会長)の計4名が選ばれました。
冒頭、各公述人から15分ずつの意見が出されました。根本氏は「TPP協定は、人口減少に直面する日本を持続的な成長軌道に乗せるために不可欠で、成長戦略の要だ。トランプ氏の発言は残念だが、まずは、参加各国が国内手続きを進めていくことが、将来への道筋を開くうえで重要だ」と述べました。続いて私(内田)は、「米国大統領選の結果はもちろん、衆参での審議内容、衆議院での強行採決など総合的に考えてもTPPを承認する合理的な理由などどこにもない。しかも安倍政権はTPPを柱と位置づける日本の成長戦略は練り直すという。この状況でのTPP批准審議はやめるべきだ」と発言。続く荻原氏、住江氏も「アメリカが承認しなければ協定は発効せず、国会で審議する意義は崩壊している」と審議をただちにやめるよう提言しました。
実際、与党側議員も「なぜ今審議を続けるのか」ということを疑問に思っている人もいるはずです。それにもかかわらず、「日本がリーダーシップをとってTPPをまとめる」「アジアの成長を取り込むためにTPPは必要」とTPPを何としても認めようとする視点からの質問も多くありました。これこそが思考停止状態であり、さらには税金の無駄遣い以外の何物でもありません。
ただ唯一よかった点としては、現在の見通しの立たない状況だからこそ、野党側からはTPPの内容そのものよりも、「そもそもTPPとは何なのか」「自由貿易はこのままの状態で機能するのか」「人口が減っていく中でどのような経済を目指すべきか」などの大局的な質問がなされたことです。本来であればこうした理念や方針についての議論が国会審議で十分なされるべきであるのはいうまでもありません。
そして、今後の審議がどうなるのか、という問題です。最も懸念していた公聴会直後の採決はさすがに行えませんでした。来週の審議状況もはっきりしていませんが、政府与党は12月の会期延長を検討しているとも聞こえてきます。引き続く来週もしっかりと国会情勢を見て審議STOPの声をあげ続けていきましょう。
★審議はインターネット中継のアーカイブでご覧いただけます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
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2.国会周辺での抗議行動
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28日(月)以降の審議状況ははっきりしていませんが、政府与党は12月の会期延長を検討しているとも言われています。引き続き、国会情勢をチェックしつつ、審議STOPの声を拡散していきましょう!
●「TPPを批准させない!全国共同行動」の呼びかけによる国会周辺での抗議行動
・11月28日(月)、29日(火)、30日(水)
いずれも参議院議員会館前座り込み抗議行動、傍聴行動
12時~17時(委員会の終了をめどとします)
・30日(水)=水曜日行動を予定通り行います。
17時~18時=市民と国会議員の情報交換会(衆議院第1議員会館多目的ホール)
18時30分~=参議院議員会館前座り込み抗議行動
呼び掛け:TPPを批准させない!全国共同行動
http://nothankstpp.jimdo.com/
フェイスブック
https://www.facebook.com/tppfes/
ツイッター
https://twitter.com/NoThanksTPP
●TPP断固反対!市民連合の呼びかけによる抗議行動
11月28日(月)~30日(水)連続行動!
『日米FTA絶対反対!~日米FTAに繋がる「TPP関連法/承認案」成立させない!絶対させない!永田町アクション』
連日17時~参議院議員会館前
★参議院の審議はインターネットでも見られます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/sp/index.php
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3. 「TPPと私たちの未来」の報告
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11月23日(水)、三重県鈴鹿で高校生向けに行なわれた講演会「TPPと私たちの未来」の報告(参加者の感想をまとめたもの)をいただきましたので紹介します。TPPについて初めて学んだ方々がどのように感じたのかがよく伝わってきます。
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★今までのように表示無き品物を買うと言うことはとても不安です。TPPを知れば知るほど恐ろしいです。私たちはきちっと表示を見ながら買い物をしていますが、それがなくなれば何を基準に買い物をすればよいのかわからなくなります。
★すごく広範囲で想像を超えるようなところがあって、まだ私にはよくわかったとまでいかない現状です。TPPが成立しなくても日米のFTAという自由貿易協定をアメリカが迫ってくるのはまちがいないという国会論議を聞きました。その下敷きにTPPが使われるのでしょうか? 自由貿易は今後日本は進んだ方が良いのでしょうか? 双方利益のある公平な多国間協定などはどんなものでしょう?
★日本人は国に守られているんだなとつくづく思いました。日本人は安全ボケをしていると海外の人が言っているのをニュースなどで見ることがありますが、このまま安心安全の日本でいてほしいと思います。日本の食品は何を買っても安心できると、いちいち表示など見なくても大丈夫という日本であってほしいと思います。
★TPPについてよくわからないところがあったが、少しだけわかった気がしました。日本国民の食の安全に不安が出てくる危険を感じる。アメリカの国益のため、どうしてここまで譲歩しなければならないか、安倍政権に怒りを覚える。
★話を聞いて良かったと思う。「よくわかった」とは思わないが、テレビのニュースでもくわしいことは聞かないし、新聞を読もうとしてもそんなに暇はないし、少なくとも自分の中ではわりと消化されて話を聞けてよかった。くわしい資料をありがとうございます。「措置の同等」など不平等条約みたいだと思う。食卓にあげるものは本当に気をつけねばと思う。
★むずかしいと避け気味なTPPですが、今回は聞いてみようと思って来ました。「やっぱりダメなTPP!!」といった思いですが、なぜ駄目なのかがわかりやすく説明していただけたと思います。食物は少し高くても国産、地場産を利用させていただいていますが、安い輸入品がどんどん入ってくると国産のものも作られなくなって来るのではと心配しています。選ぶことの出来ない押しつけられるものばかり。未来が恐いです。
★結局は多国籍企業が得をする=政治家が得をする協定なのだということがよくわかりました。
★「日本(政府)の交渉力」ってとめどもなく情けなく、対米従属だ。
★最後の方が発言された「このままでは日本農業がダメになる」以上にわたしたちや子・孫たちの未来も危ない。
★私たちはグローバル資本によって、人体実験されている。
★「自由貿易」なんて何もわたしたちに自由の恩恵もないじゃないか。
★TPP絶対反対、その思いが強くなりました。こんなに問題だらけなものをどうして受け入れて進めていこうとするのか、どうなっているのかという思いです。もっとお互いが相手のこと、地球全体のことを考えて進まなければと思います。利益優先で胸が痛みました。
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4. ブックレットから
「自由貿易はいいことではないの?」
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TPP発効の可能性がほぼなくなったとは言え、二国間FTAの危険性なども指摘されています。国会でも「どんな経済をめざすべきか」という大局的な質問も出てきました。「そうだったのか!TPP」ブックレットの中から、あらためて、「自由貿易とは何か」ということについて、おさらいしておきましょう。
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Q.自由貿易はいいことではないの?
A.「自由」ではなく、強者によって「管理」された貿易です
ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの著名な経済学者のジョゼフ・E・スティグリッツ氏は、「TPPは特定集団のために『管理』された貿易協定だ」と述べています。もしTPPが純粋に自由貿易(関税ゼロ、非関税障壁を廃止)を実現するもので、そのことに各国も同意しているのだとしたら、交渉はここまで長期化せず、また協定文もこれほど複雑で膨大(英文で6,500ページ以上)なものにはならなかったでしょう。
しかし実際には、TPP協定文の30章のなかで貿易に関わる章はたったの5つで、残りはルールに関する部分。つまり各国の法律や規制を、グローバル企業の都合がいいように変えていくための中身です。一方、各国には譲れない領域もあるため、結果的にTPPは、自由貿易という意味では「不完全な」協定になっています。そもそも、環境にかかわる規制や食の安心・安全にかかわる規制、また自動車の排ガス規制、金融規制など、私たちの暮らしに欠かせないルールも、輸出を増やし国際的なサプライチェーンをつくりたい企業にとっては「反貿易的」となります。しかし、だからといってこれらの規制をなくすことは社会のあり方そのものへの脅威となります。
スティグリッツ氏はまた、「協定のそれぞれの条項の背後には、その条項をプッシュしている企業がある。米通商代表部(USTR)が代弁しているのは、そういう企業の利益であり、決してアメリカ国民の利益を代弁しているわけではありません。ましてや日本人の利益のことはまったく念頭にありません。『規制を取り払え』という考え方は、じつにばかばかしい。問うべきなのは、『どんな規制が良い規制なのか』ということのほうなのです」とも指摘しています。
じつはスティグリッツ氏は、2016年3月に来日し、首相官邸で日本の経済政策について意見を述べています。その際、消費税増税への反対だけが報道されましたが、来日講演の大半がTPP批判であったことはあまり知られていません。(内田聖子)
※この項目については、ネットでも読むことができます。イラスト・図解付き。
http://notppaction.blogspot.jp/2016_09_01_archive.html
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5. 大好評で6万部突破!
ブックレット「そうだったのか!TPP」
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TPPテキスト分析チームが8月に刊行したブックレット「そうだったのか!TPP」は、発売以来、全国から注文が相次ぎ、増刷を続け6万部に達しています。学習会などでご利用いただいていますが、まだまだ多くの方にお読みいただきたいと願っています。
※TPPの中身をわかりやすく、24のQ&A方式でまとめています。学習会やイベントでTPPの問題を考えるテキストとしても最適です。
※本ブックレットは、1部100円(送料別、注文は5部以上)で販売しております。また全ページ、PDF版で閲覧可能です。
ぜひお読みいただき、TPPについて考えるきっかけとしてご利用ください!
★詳細・ご注文は→ http://notppaction.blogspot.jp/2016/08/tppq.html
■■■TPPテキスト分析チーム■■■
●わかりやすい&かっこいい動画ができました!ぜひ拡散を!
「2分でわかるTPP」https://www.youtube.com/watch?v=RiZ0COxQSHs&feature=youtu.be
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編集後記
まだ11月だというのに厳寒の日が続いています。先日の初雪の日も、国会周辺では、座り込み行動が行なわれました。私の友人でも、数人でも駅前でプラカードを掲げてスタンディングをしている人がいます。寒い中にもかかわらず毎日の抗議アクションを続けている方々には頭が下がる思いです。ツイッターで「STOP!TPP gathering」というアクションを見つけました。https://twitter.com/NAU_STOP_TPP 「コミュニティ・ギャザリング(話を聞き、話し合い、仲間とつながる場)として集まりましょう」とプロフィールにはあり、新宿駅や高円寺駅などいろいろな駅頭などで活動されているようです。つながりの場を作るという側面も、アクションには必要なことだなあと思います。(柴田)
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【編集】アジア太平洋資料センター(PARC) 内田聖子/柴田麻里
【発行】TPPテキスト分析チーム
●毎週火曜日・金曜日発行
※本メールニュースはウェブサイトでも掲載しています。
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