2016年6月8日水曜日

連続学習会「TPP寺子屋」6/20 よりスタート!


連続学習会TPP子屋」

そうだったのか!TPP

2015年10月に大筋合意し、今年2月に参加国の署名がなされたTPP協定。現在は各国内議会での批准手続きに入っています。日本政府は署名後からわずか2か月後の4月通常国会にて、TPP協定と関連法案の可決・成立をめざしましたが、野党が求めた交渉経緯の情報開示に応じて出てきたのは「黒塗り文書」。またTPP特別委員長の西川公也氏が自らの功績を出版しようとしていたことが発覚するなど、まともな議論もできないまま審議は秋の臨時国会へと先送りとなりました。そもそも、TPP協定の全容は十分に明らかになっておらず、また私たちの暮らしや社会への影響ははかりしれません。「TPPテキスト分析チーム」は、2015年11月以降、6000ページ以上もある協定文を可能な限り読み説き、分野ごとに分析・情報発信を行ってきました。その一環として、6月より各分野をさらに深める連続学習会「TPP寺子屋」を開催します。まずは7月の参議院議員選挙でTPPを重要争点化し、そして秋の国会に向けて、それぞれの地域でTPP批准阻止を訴えることが必要です。多くの方のご参加をお待ちしています。



【プログラム&報告者】

第1回 6/20(月)  農産物市場アクセスと食の安全・安心
18:30~20:30    ◆岡崎衆史(農民連国際部副部長)
          ◆山浦康明(TPPに反対する人々の運動、明治大学)

第2回 6/27(月) 金融サ-ビスと越境サ-ビス貿易
18:30~20:30    ◆和田聖仁(TPP交渉差止・違憲訴訟の会副代表、弁護士) 
          ◆内田聖子(PARC事務局長)

第3回 7/4(月)  投資と労働
18:30~20:30    ◆三雲崇正(TPP交渉差止・違憲訴訟の会、弁護士)
                  ◆布施恵輔(全労連国際局)

第4回 7/11(月) 医療・医薬品・国民皆保険の行方と「規制の整合性」
18:30~20:30    ◆寺尾正之(全国保険医団体連合会)
          ◆近藤康男(TPPに反対する人々の運動)

第5回 7/21(木) 政府調達と国有企業
18:30~20:30    ◆近藤康男(TPPに反対する人々の運動)   
          ◆和田聖仁(TPP交渉差止・違憲訴訟の会副代表、弁護士)

第6回 7/26(火) 地域経済・中小企業への影響
18:30~20:30    ◆岡田知弘(京都大学、地域経済学)



●参加費:1回 800円 
       全回(6回)通し参加:3000円

●会場:連合会館 501会議室 会場地図はこちら
●お申込みはこちら⇒ お申込みフォーム

〈主催〉 TPPテキスト分析チーム
〈事務局〉特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)
101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル3F
TEL.03-5209-3455 FAX.03-5209-3453 E-mail office@parc-jp.org




2016年4月1日金曜日

【TPPテキスト分析③】知的財産:米国流の著作権システムに



監視と管理が進み、表現が萎縮する恐れ

 日本は、著作権分野において、下記のような米国の当初提案をほとんど受け入れてしまいました。

①著作権保護期間を現行の50年から70年に延長
②非親告罪化
③法定損害賠償制度の採用

 関連する国内法の改正も求められています。
 日本の著作権使用料の収支はすでに年8,000億円の赤字。保護期間が延長されれば、過去の作品が二次利用されずに埋もれてしまう「孤児作品」が増 える懸念があり、延長には経済的なメリットもありません。
  また現在、日本では著作権侵害は、著作者自身が告訴しなければ起訴・処罰ができない「親告罪」となっていますが、これが第三者からの通報があれば捜査・ 起訴できる「非親告罪」となることで、二次使用だけでなく、一次クリエイターの自由な創作・表現もが萎縮する危険性もあります。
 さらに法定損害賠償制度の採用によって、実損害のみを賠償金としていた日本の制度が、莫大なペナルティ的賠償金を課せられるようになってしまいます(米国では1作品で上限15万ドル)。

★より詳しく知りたい方は「TPPテキスト分析レポート」へ
http://www.parc-jp.org/teigen/2016/TPPtextanalysis_ver.4.pdf

【関連する協定文】
第18 章 知的財産
●第 18.63 条(a)(中略)保護期間は、著作者の生存期間及び著作者の死の後少なくとも70 年とすること。●第 18.74 条 6 項 各締約国は、民事上の司法手続において、(中略)権利の侵 害に関し、次のいずれか又は双方の損害賠償について定める制度を採用し、又は維持する。(a)(中 略)法定の損害賠償(b)追加的な損害賠償




2016年3月31日木曜日

【TPPテキスト分析②】医療・保険編:薬価が高騰、製薬大企業の思うがままに?

TPP協定文では「医療」という章(分野)はなく、様々な章や付属書を横断的に分析していく必要があります。特に、医薬品の特許権に関する部分に注目すべきでしょう。

薬価決定に製薬企業が影響力を及ぼす!?

 「透明性及び腐敗行為の防止」章の附属書は、新たな医薬品や医療機器を保険収載するための手続きについて、「検討を一定期間内に完了すること」や「手続規則、方法、 指針を開示すること」を規定しています。さらに「独立した検討過程」を設けることや、保険収載しないという「決定に直接影響を受ける申請者」が、不服審査を開始することができると規定しています。つまり、今後、アメリカの製薬企業が利害関係者として、「透明性」を盾 に、医薬品・医療機器の保険収載の可否や、公定価格の決定プロセスに一層影響を及ぼすことが懸念されるのです。

特許やデータ保護が強化され、価格が高止まり

 「知的財産」章では、医薬品の知的財産保護を強化する制度として、3つの制度を導 入するとしています。

特許期間の延長制度:特許出願から販売承認までの期間が「不合理」と認定された場合に特許期間の延長を認める。

新薬のデータ保護期間:バイオ 医薬品(抗がん剤やC 型肝炎の治療薬など)の新薬について、特許期間が切れた場合 でも「データ保護期間」(少なくとも8 年、又は 5 年+他の措置)を設ける。

特許リ ンケージ制度:ジェネリック薬承認時に特許権者に特許権を侵害していないか確認する。  

 このように製薬大企業の独占的利益を保障することは、ジェネリック薬企業にとって大きな障壁となるでしょう。「国境なき医師団」は、「医薬品入手の面で最悪の貿易協定として歴史に残る」と批判しています。日本にとっては、新薬価格の高止まりが続けば、国の財政負担は重くなり、患者負担の引き上げにつながる恐れもあります。

 共済、かんぽ生命も狙われている!

 「金融サービス」章の定義は広範で、すべての保険、銀行、その他の金融サービスが含まれています。例えば JA 共済や全労済といった共済も、保険業務に含まれるのでこの章の規定が適用されます。在日米国商工会議所(ACCJ)は、「共済は競争上の優遇措置を取り続けている」と、繰り返し批判してきました。米国が主張する「保険」分野に「共済」は含まれており、今後、共済制度に対する意見が寄せられることが十分想定されます。
  また日米交換文書では、日本郵政の販売網へのアクセスや、日本郵政グループが運営する「かんぽ生命」が民間保険会社よりも有利になる条件の撤廃などについて「認 識を一致した」と明記されています。

★より詳しく知りたい方は「TPPテキスト分析レポート」へ
http://www.parc-jp.org/teigen/2016/TPPtextanalysis_ver.4.pdf

【関連する協定文】
第 26 章 透明性及び腐敗行為の防止
●附属書 26-A. 第 3 条 締約国は、自国の保健当局が(中略)新たな医薬品若しくは医療機器を一覧に掲 載するため(中略)の手続を運用(中略)する場合には、(a)(中略)検討が一定の期間内に完了すること を確保すること。(b)(中略)手続規則、方法、原則及び指針を開示すること。

第 18 章 知的財産 
●第 18.48 条 2 項(中略)特許期間の不合理な短縮について特許権者に補償するため特許期間の調整を 利用可能なものとする。
●第 18.51 条 1 項(a)(中略)生物製剤を含む新規の医薬品の(中略)販売承認 の日から少なくとも 8 年間、(中略)市場の保護について定めること。
●第 18.53 条 1 項(a)当該最初に提 出した者以外の者が(中略)当該医薬品を販売しようとしていることについて、当該医薬品が販売される前に、 特許権者に通知(中略)する制度。

第 11 章 金融サービス 
●第 11.1 条「金融サービス」とは、(中略)全ての保険及び保険関連のサービス並びに全ての銀行サービス その他の金融サービス(中略)を含み…
●保険等の非関税措置に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府と の間の書簡 2(b)日本国政府は、日本郵便(株)が、(中略)その販売網を民間の保険サービス提供者の 商品の取扱いのために利用可能とすることを妨げない。



そうだったのか!TPP-リーフレット完成!みんなで広げましょう


TPPテキスト分析チームは昨年11月以降、TPP協定文の分析と結果の発信を行なってきました。
報告書も第4版となり、多くの皆さまにご活用いただいておりますが、「報告書の中身も難しくてよくわからない」「人にTPPの問題を伝えたいけれど、わかりやすく説明できない」などの声もいただいてきました。

そこで、チームではこのたび、「そうだったのか!TPP」と題したリーフレットを制作しました。

下記からPDFにてご覧いただけます。印刷・配布も無料・自由です。

また現物がほしい!という方は、近日中に申し込みシステムを整えますので、少しお待ちください。

リーフレットのPDFはこちらからダウンロードできます。
http://www.parc-jp.org/teigen/img/tpp_leaflet.pdf

2016年3月29日火曜日

TPP協定テキスト分析レポートver.4をリリースしました!


 3月30日、TPPテキスト分析チームは分析レポート ver.4をリリースいたしました。

 ぜひご活用ください。無料でダウンロード可能です。


 

 ダウンロードはこちらから






2016年3月28日月曜日

【テキスト分析①農業編】 史上最悪の農業つぶし協定

 

「除外」規定が存在しない!?

 TPP による日本の関税撤廃率は95%で、農林水産品では2,594 品目のうち2,135品目(82%)が撤廃されます。「聖域」とした重要品目も170 品目(29%)が撤廃、重要品目以外では98%が撤廃となるのです。自民党が「ぎりぎり超えられない一線」としていた日豪EPA を上回る、史上最悪の農業つぶし協定であるといえるでしょう。
 これまでの自由貿易協定(FTA やEPA)には、関税の撤廃・削減をしない「除外」や「再協議」の対象がありましたが、TPP にはその規定が存在しません。そのため一切の物品が撤廃対象となり、今回は撤廃とならなかった品目も、将来的に撤廃を迫られる可能性が大きいのです。重要 品目を「除外又は再協議の対象とする」とした国会決議にも反しています。

後戻りできない、関税撤廃への道

 日本は、7 年後に米国など農産物輸出5 か国の要請に応じ、関税、関税割当、セーフガードを含む全面的な見直し協議を行うことが義務付けられています。日本のように複数国の見直し要請に応じる約 束をしている国はありません。段階的に関税を撤廃する品目は、撤廃時期の繰上げについても協議ができます。
 TPP で初めて設置される「農業貿易に関する小委員会」は、農産品の貿易促進を任務としており、発効後5年間は少なくとも年1 回会合すると規定されています。日本に対し、さらなる市場開放の圧力を恒常的にかける仕組みになることが懸念されます。

遺伝子組み換え作物の輸入が増大する恐れ

 「内国民待遇及び物品の市場アクセス」章に組み込まれた「現代のバイオテクノロジーによる生産品の貿易」は、日本や米国がこれまでに結んだいずれの EPA、FTAにも存在しない項目です。TPP が、遺伝子組み換え(GM)作物の貿易を大幅に加速させかねない条約だということを示しているといえるでしょう。既存の国際条約と比べて、GM作物輸出国 の義務があいまいで、輸入国の権利が弱められているなど問題点が多い。貿易の中断を回避し、新規承認を促進する条項があるほか、GM作物の貿易に関する情 報交換と協力を進める作業部会も設置されます。

★より詳しく知りたい方は「TPPテキスト分析レポート」へ
http://www.parc-jp.org/teigen/2016/TPPtextanalysis_ver.4.pdf




【関連する協定文】
第2章 内国民待遇及び物品の市場アクセス
●第2.4 条2項 各締約国は、この協定に別段の定めがある場合を除くほか、附属書2-D(関税に係る約束)の自国の表に従って、漸進的に関税を撤廃する。
●附属書2-D(日本国の関税率表:一般的注釈)9(a) オーストラリア、カナダ、チリ、ニュージーランド又はアメリカ合衆国の要請に基づき、(中略)原産品の待遇についての約束(この表における関税、関税割当 及びセーフガードの適用に関するもの)について検討するため、(中略)七年を経過する日以後に協議する。
●第2.4 条3 項 いずれかの締約国の要請に応じ、(中略)関税の撤廃時期の繰上げについて検討するため、協議する。
●第2.25 条2 項 農業貿易に関する小委員会は、次のことのための場を提供する。(a)(中略)農産品の貿易(中略)を促進すること。
●第2.27 条9 項 締約国は、貿易に関連する事項であって現代のバイオテクノロジーによる生産品に関連するものについて情報交換及び協力を行うため、ここに、農業貿易に関する小委員会の下に現代のバイオテクノロジーによる生産品に関する作業部会(中略)を設置する。

2016年3月23日水曜日

【4/3】 報告集会 TPP協定の全体像とその問題点 ―市民団体による分析報告 Vol.2―



報告集会
TPP協定の全体像とその問題点 
―市民団体による分析報告 Vol.2―


 昨年10月に「大筋合意」をし、2月4日に12か国での署名が行われたTPP協定。日本政府は暫定仮訳を公開していますが、そもそも協定文は本文と付属書 だけでも5000ページを超える膨大な量であり、付属書や二国間交換文書など関連文書すべてが公開・翻訳されているわけでもありません。TPPの全体像を 十分に把握し、私たちの暮らしや日本社会にとっての問題や懸念を精査することはまだまだ時間がかるといえます。米国はじめ各国でも、協定文の公開以降、国 会議員や市民団体が分析と問題提起を続けています。

 TPPは農産品の関税だけの問題でなく、投資や金融、食の安全基準や食品表示、サービス貿易全般も含んでおり、さらには国有企業や電子商取引などこれまでの貿易協定になかった分野もカヴァーする実に多岐にわたる内容です。

 日本政府は関連法案をまとめ、3月中にも特別委員会を設置し4月から批准のための審議を本格化するといわれています。しかし十分な情報公開と議論、専門家・各自治体による詳細な影響評価もなされないまま「批准ありき」で審議が進むことは絶対に避けなければなりません。

  私たちTPPに強い懸念を持つ市民団体・農業団体・労働組合などは11月に「TPPテキスト分析チーム」を立ち上げ、問題点をまとめてきました。このたび 第2次報告として、下記のとおり公開の報告集会を行ないます。多くの方々と問題を共有し、幅広い議論を起こしたいと一同願っております。ぜひご参加くださ い。

●日時:2016年4月3日(日) 10:00~17:00 ※開場9:30
●会場:全水道会館 4階 大会議室 ※会場地図はこちら
●資料代:1000円 ※先着順(定員160名)
※2月5日に公開した報告書に新たな分野、補足分析を加え今回公表します

◆お申し込み:下記のフォームにて送信いただくか、メール、電話にてお名前申込人数をご連絡ください。 
申込フォーム⇒ こちら

【プログラム】

10:00 オープニング:TPPの全体像とその問題点
   ◆内田聖子(PARC事務局長)

10:20 セッション1「農」と「食」はどうなる?
   ―農産品関税、食の安心・安全
   ◆報告者:岡崎衆史(農民連国際部副部長)
         山浦康明(TPPに反対する人々の運動、明治大学)
   ◆コメンテーター:山田正彦(TPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長)
   ◆質疑応答

10:45 セッション2 進む「いのち」の市場化
   ―医療・医薬品・国民皆保険の行方
   ◆報告者:寺尾正之(全国保険医団体連合会)
   ◆質疑応答

13:00 休憩(60分)

14:00 セッション3 地域経済と公共サービスへの影響
   ―政府調達・公共サービス・国有企業
   ◆報告者: 近藤康男(TPPに反対する人々の運動)
   ◆コメンテーター:山田正彦(TPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長)
   ◆質疑応答

15:30 セッション4 誰のための「ルール」なのか?
   -金融・投資・サービス貿易
   ◆報告者: 相沢幸悦(埼玉学園大学経営学部教授)
    内田聖子(アジア太平洋資料センター事務局長)
    和田聖仁(TPP交渉差止・違憲訴訟の会副代表、弁護士)
    三雲崇正(TPP交渉差止・違憲訴訟の会、弁護士)
   ◆質疑応答

16:55 閉会

※報告分野・報告者は変更になる場合もあります。
※途中入退場は何回でも可能です。再入場時には受付時にお渡しする領収証をご提示ください。
※席数に限りがありますので満席の場合は立ち見となる場合もございます。

〈主催〉 TPPテキスト分析チーム
山田正彦(元農林水産大臣、TPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長)/内田聖子(アジア太平洋資料センター事務局長)/近藤康男(TPPに反対する人々の運 動)/和田聖仁(TPP交渉差止・違憲訴訟の会副代表、弁護士)/山浦康明(TPPに反対する人々の運動、明治大学)/東山 寛(北海道大学准教授)/岡 崎衆史(農民連国際部副部長)/坂口正明(全国食健連事務局長)/寺尾正之(全国保険医団体連合会)/布施恵輔(全労連国際局)/三雲崇正(TPP交渉差 止・違憲訴訟の会、弁護士)他

〈お問い合わせ先〉
特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル3F
TEL.03-5209-3455 FAX.03-5209-3453 E-mail: office@parc-jp.org  http://www.parc-jp.org/