2016年11月1日火曜日

メールニュース TPP批准にSTOP! Vol.11 11月4日採決で与野党が合意/ジェーン・ケルシー教授講演&インタビュー

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■■  \\  メールニュース TPP批准にSTOP! Vol.11 // ■■
■           11月1日発行               ■


※このメールニュースはこれまでTPPテキスト分析チームのブックレットや集会にご参加くださった皆様をはじめTPP阻止の取り組みでご一緒した皆さまにお送りしています。ご不要な場合は管理者宛て(末尾)にご連絡ください。


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 1.11月4日採決で与野党が合意
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今週に入り衆議院TPP特別委員会では、再び参考人質疑が行われました。テーマは「著作権」と「ISDS」で、膨大なTPP協定のうち、ようやく農業分野以外の重要分野に議論が入ったことになります。

「著作権」(TPPの分野としては「知的所有権」)については、小説や音楽などの著作権保護期間が原則、作者の死後50年から70年に延長されます。野党側の参考人・福井健策氏(弁護士)は、保護期間の延長で「(相続人の了承など)権利の処理が複雑になる」と批判。政府に著作物の活用を促す仕組みの構築を求めました。

また著作者の告訴がなくても著作権侵害の捜査・起訴ができる「非親告罪化」に向けた規定も盛り込まれたことに関して、福井氏はパロディー創作といった「二次利用を萎縮させる」と懸念を表明しました。非親告罪化については、実は原作者自身も求めてはおらず、政府は「パロディなどは非親告罪化の対象としない」としていますが、それを判断するのは警察当局です。警察の「さじ加減」でどのような運用がなされるかも不明で、やはり表現活動全体への萎縮効果があるでしょう。もともとこの著作権保護期間延長や非親告罪化を求めてきたのは、米国であり、その背景にはミッキーマウスなどの作品をもって世界中でビジネスを展開する巨大コンテンツ産業や、IT関連企業などです。これに対し、一橋大学の土肥一史名誉教授は、こうした知財保護強化は、「海賊版対策には有効」とメリットを強調しました。

またISDS(分野としては「投資」)について、野党側の参考人の岩月浩二氏(弁護士)は、TPPに含まれる外国企業と進出先の国家との紛争解決(ISDS)条項に関して、「訴訟大国の米国企業が訴えてくる」と警戒。一方、弁護士の鈴木五十三氏は「(日本政府は同様の条項で外資に)これまで訴えられたことがない」と述べ、TPPの規定を順守すれば悪影響はないとの認識を示しました。

野党側の参考人の意見が詳細で説得力があるのに対し、与党側の参考人は政府の主張をなぞるばかりで、根拠に乏しいことが多くの方の目にも明らかだったと思います。

このような質疑をさらに重ねていくことで、TPPの全体像とその脅威が明らかになると私たちも確信をさらに強めました。昨日の共同通信の世論調査でも、66%の人が「今国会でTPPは慎重に審議してほしい」と答えています。国会での審議が進むうちに、政府の答弁に不信を感じ、さらに疑問や懸念が高まってきているのです。しかし、そのような流れに対して、与党も先週から焦りを見せてきていました。

そして、11月1日朝、とうとう「11月4日に採決で与野党が合意」との報道が流れました。報道が事実ならば、驚きと怒りを多くの方がお持ちでしょう。そしてそれは野党側にも突き付けられるべき問いです。TPPは条約の批准の扱いとなり、憲法上の「衆議院の優越」事項となります。つまり衆院で可決してしまえば、参議院で結論が出ず時間切れになっても、30日がたてば「自然承認」となるのです。

現時点では、正確な情報を得た上で、11月4日の採決について、どうにかして止められないものか、考え、動くのみです。


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 2.ジェーン・ケルシー教授 講演&インタビュー
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10月31日(月)、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」の主催により、議員会館にて、ニュージーランド・オークランド大のジェーン・ケルシー教授の講演会が開催されました。危機的な現状の分析と対応など、示唆に富んだ内容の講演となりました。

ケルシー氏は、ベトナムは、米国の批准が不透明なことから、年内完了を予定していた国内手続きを来年に先送りしたことを報告。ほか、オーストラリア、カナダ、ペルー、メキシコ、チリの五カ国についても、米国の政治状況を見極める姿勢を取っている、と各国の現状を伝えました。また、批准を急ぐ日本とニュージーランドについては、「オバマ政権のチアリーダーのようだ。なぜ米国がどうなるのか見極めようとしないのか」とあらためて疑問を提示しました。

この日、ジェーン・ケルシー教授は、議員会館前での抗議行動にも参加し、その後、IWJの番組で、ジャーナリスト・岩上安身さんによるインタビューにも答えました。

・TPPのような協定に反対する米国、あるいはその他世界各地での反動の背景には何があるのか。
・TPPの現状は何か。
・なぜどの国も今TPPをやるべきてないのか。
・これらの現実がありながら、なぜ日本とニュージーランドはTPPを実現するための法律を強く推しているのか。そしてその危険性とは何か。
・国民と民主主義と国家主権と私たちの将来に対するこの過ちはいったいどんな結果をもたらすのか。

といった項目について答えています。

このインタビューは、危機的な情勢を鑑み、しばらくの間、無料公開されています。
ぜひお早めにごらんください。
http://www.ustream.tv/recorded/92553835


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 3.引き続き、抗議行動に集まろう!
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4日採決かという状況ですが、国会前では、明日以降も朝から抗議アクションが行なわれます。短時間の参加でもいいので、ぜひ行ってみてください。夕方からは、野党議員との情報交換会もあります。こんな採決のしかたはありえない!という声を議員に届けましょう。最後まで粘るしかありません!

■国会の審議日程(予定)
 11月2日(水)14:15~特別委員会とりまとめの質疑(1時間30分)
        この後、与党は採決を行いたいと提案。
 11月4日(金)午後、本会議でTPP及び関連法案の採決を予定

■抗議行動予定

・11月2日(水)
10:00~11:00すぎ 「採決は許さない!座り込み行動・第1部」
          ※昼休みは別団体(春闘共闘委員会など)の集会が入ります
          この間、上記集会への合流あるいは議員会館内で昼食など

13:00~16:00すぎ「採決を許さない!座り込み行動・ 第2部」
          ※委員会傍聴を希望する方は、傍聴に入ります。

17:00~「市民と国会議員の情報交換会」=恒例の水曜日行動
    (会場:衆議院第二議員会館多目的会議室)

18:30~ 大抗議行動(衆議院第二議員会館前)
        

・11月4日(金)
12:00~本会議終了まで(16時頃)「 採決大抗議座り込み行動」
        ※本会議を傍聴を希望する方は、傍聴に入ります。


★★大阪では、「ストップ!TPP緊急行動」の呼びかけで以下のとおり、街宣が行なわれます!★★
ぜひご参集ください。

日時:11月2日(水)17:30~19:00
場所:梅田ヨドバシカメラ前

https://www.facebook.com/events/1221890967884193/


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 4.TPPを批准させない!水曜日行動
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これまでTPP批准阻止に取り組んできた幅広いネットワークは、下記の通り、「TPPを批准させない!水曜日行動」として、毎週水曜日に院内外で行動を行なっています。国会情勢を知り、声を上げていくために、ぜひご参加ください。

◆野党議員による国会報告&議員会館前アクション
11月30日(水)までの毎週水曜日 ※11月23日は休み

●17時~18時・国会報告と意見交換(議員会館内会場)
●18時半~19時半・議員会館前抗議行動

●会場:   
11月2日(衆院第二議員会館・多目的会議室)  
11月9日(衆院第一議員会館・大会議室)
11月16日(衆院第二議員会館・多目的会議室) 
11月30日(予定:衆院第一議員会館・多目的ホ-ル


●呼び掛け:TPPを批准させない!全国共同行動
http://nothankstpp.jimdo.com/


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 5. あの人もTPPに注目! ~鴻上尚史さん
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TPPに注目しているのは、私たち市民だけではありません。このコーナーでは、実はあの有名人もTPPに注目し、疑問を投げかけている! という発言を随時紹介していきます。ぜひツイッターやフェイスブックなどで拡散してください。

今回は、劇作家・演出家の鴻上尚史さん。「日刊SPA!」で、著作権保護延長問題について、作家の立場から疑問を提示しています。わかりやすく、的確な指摘。ぜひご一読ください。

「・・・(中略)アメリカは作者の死後70年なのです。TPPを批准・参加するということは、無条件で『死後70年』を受け入れるということになるのです。でね、僕も作家なので、どっちがいいんだろうと考えるのですよ」

「『昭和初期の作品のアンソロジーを作りたいんだけど、曽孫も玄孫もどこにいるのかまったく分からない。でも、著作権が切れてないから、勝手に載せられない。結果、掲載を諦めるしかない』という『孤児作品』と呼ばれるものが大量に生まれることになるのです」


TPPで問題となるのは農業だけじゃない。著作権「死後70年」を受け入れて本当に良いのか?(「日刊SPA!」2016/10/31)
http://nikkan-spa.jp/1226329/2


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 6. 大好評で6万部突破!
  ブックレット「そうだったのか!TPP」
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TPPテキスト分析チームが8月に刊行したブックレット「そうだったのか!TPP」は、発売以来、全国から注文が相次ぎ、増刷を続け6万部に達しています。学習会などでご利用いただいていますが、まだまだ多くの方にお読みいただきたいと願っています。

※TPPの中身をわかりやすく、24のQ&A方式でまとめています。学習会やイベントでTPPの問題を考えるテキストとしても最適です。
※本ブックレットは、1部100円(送料別、注文は5部以上)で販売しております。また全ページ、PDF版で閲覧可能です。

ぜひお読みいただき、TPPについて考えるきっかけとしてご利用ください!
★詳細・ご注文は→ http://notppaction.blogspot.jp/2016/08/tppq.html



■■■TPPテキスト分析チーム■■■

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編集後記
与野党が採決合意しました。残念でなりません。審議はようやく著作権など農業以外に入ったばかりなのに。最後まであきらめず、野党の意地を見せてほしいものです。明日の院内集会でどのような報告がなされるのか、ちゃんと聞いてこようと思います。そういえば、今日の7時のNHKニュースでは、TPPのことは触れられませんでした・・・・・・。(柴田麻里)
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【編集】アジア太平洋資料センター(PARC) 内田聖子/柴田麻里
【発行】TPPテキスト分析チーム
●毎週火曜日・金曜日発行
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1 件のコメント:

  1. まず、方々のこれまでの日々の筆舌し難いご苦労、類稀なる想像を絶するほどのご努力に、心から尊敬、感謝の念を申し上げます。
    もう時間がないので、ご理解を得られない事を覚悟して、敢えて端的に、敢えて単刀直入に、敢えて忌憚ない意見を申し述べさせて頂きます。
    TPP(TTIP、TISA)の黒幕は〝通貨を発行する権利〟を有している方々ですよね?
    その下に、世界銀行やICSID(国際投資紛争解決センター)、IMFがあり、
    その直下の軍産複合体、米軍、ハリバートン(インフラ)、ベクテル(公共事業)、エクソン(石油利権)、
    あるいは、モンサント(遺伝子組み換え)、ファイザー(製薬会社)、G.E.(原発)、
    それと最後に、金融業、バンクオブアメリカ、ゴールドマンサックス、チェース、JPモルガン、こういった所に有利に働く協定である、と。
    だとすると、これらの巨大企業を脅かすような大企業が、不利になるような条文も盛り込まれているんじゃないのでしょうか? 恐れ入りますが、お調べして頂けませんでしょうか? 大変不躾なお願いであることは、重々承知しておりますが、どうかお聞き届けられますよう、心よりお願い申し上げます。

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