2016年10月30日日曜日
メールニュース TPP批准にSTOP! Vol.10 月内の衆院通過見送り4日までに採決か?国会前抗議行動に集まろう!
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■■ \\ メールニュース TPP批准にSTOP! Vol.10 // ■■
■ 10月29日発行 ■
※このメールニュースはこれまでTPPテキスト分析チームのブックレットや集会にご参加くださった皆様をはじめTPP阻止の取り組みでご一緒した皆さまにお送りしています。ご不要な場合は管理者宛て(末尾)にご連絡ください。
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1.月内の衆院通過見送り 4日までに採決か
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今週半ばから再び正常化したTPP国会審議。しかし依然として「月内採決」「28日に強行採決か」という大きな懸念がありました。
26日には北海道と宮崎県で地方公聴会が開かれました。その翌日の27日には初めて野党側の参考人質疑が行われ、TPPテキスト分析チームのメンバーでもある内田聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター)と山浦康明(TPPに反対する人々の運動、明治大学教員)の2名が参考人として委員会に出席しました。
内田は、TPPの秘密主義について「これまで日本が結んだ通商協定と比べてもTPPの秘密主義は突出している。日本が参加する際に交わした『保秘契約書』も秘密という、前代未聞の交渉だ」と指摘。またこの日のテーマが食の安心・安全であったことから、「米国ではモンサントなどのバイテク企業が長く政府にロビイングをし、自分たちの要求をTPPに反映させてきた。これら企業は『遺伝子組み換え作物の貿易に関する規制をなくすこと』『遺伝子組み換え食品の表示をなくすこと』などを求めてきた。TPP協定が今後も変化していくことを考えると、食の安心・安全が本当に守り切れるのか大いに疑問だ」と話しました。
山浦は、「TPP協定によって遺伝子組み換え食品の安全性評価が後退するという危機感を持っている。消費者は厳格な表示を求めているが、できなくなるのではないか。食品の安全などの詳しい審議をしないままでは、全く不十分だ」と述べました。
またこの日は「農業」分野での野党側の参考人質疑も行われ、鈴木宣弘氏(東京大学)と田代洋一氏(大妻女子大学)も参考人として出席。両者とも日本の農業にとってTPPは大きな打撃を与え、試算や対策、さらに米のSBS問題の調査もまったく不十分であることを厳しく指摘しました。
大変に幅広い分野にかかわるTPPについて、本来であればこのように研究者や市民団体の声を幅広く聞き、その上で十分な審議をつくすのが国会の役目です。10月31日(月)にも著作権とISDSについての野党側の参考人質疑が予定されていますが、こうした参考人質疑が各分野であと数十回は必要だと思います。
28日には安倍首相も出席した審議が行われました。与党は28日に採決という当初の目標は断念したものの、「月内採決」「11月4日までに採決(その場合は会期延長)」などのスケジュールがマスメディアから流れてきます。採決を数日延ばしたからといって、「熟慮した」「議論を尽くした」などとは到底言えません。
とにかく今国会での批准を完全に阻止するために、来週以降も引き続き最大限集中して国会内外で力を尽くしましょう。特別委員会での野党の質問や、参考人質疑の内容を拡散し、少しでも多くの人にTPPの持つ危険を訴えていきましょう!
【参考リンク】
★【衆院TPP特】TPP協定締結後の各国の安全基準の後退等について議論 篠原議員 - 民進党
★内田聖子、山浦康明参考人 質疑【衆議院 国会中継】~平成28年10月27日 TPP特別委員会~
★2016.10.28 【TPP】承認急げば米国利するだけ-横浜国大・田代名誉教授
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2.北海道・宮崎公聴会 不安・批判の声相次ぐ
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26日(水)、地方公聴会が北海道と宮崎県で開催されました。出席した農家や消費者の代表たちからは、国会の審議が不十分なまま衆院通過を急ぐ政府・与党への批判が相次ぎました。
両会とも4名が公述人として出席し、北海道は、賛成・容認派が2名、慎重・反対派が2名、宮崎は、前者が1名、後者が3名という構成でした。
北海道農民連盟書記長の山居忠彰さんは、「北海道は8月の台風で甚大な被害を受けた。こんな状況で、国民の命と暮らしにかかわるTPPを強行採決することには断固反対だ」と話し、酪農学園大学名誉教授の中原准一さんは、「北海道の農業はすでに危機的状況。さらに重要5品目の全農産品に関税や制度面でくさびを入れられたらどうなるのか」と強調しました。
宮崎大学名誉教授の藤原宏志さんも「4人の意見を聞いただけで国民の声とするのか。もっと時間をかけて説明する責任が政府と国会にはあるのでは」と主張。畜産農家を営む興梠哲法(こうろきてつのり)さんは、「政府は農産物の輸出を強調するが、輸出できる作物を生産する農家は限られている。攻めよりも、農村を守る約束をしてほしい」と要望しました。
一方、賛成・容認派として、北海道の東和電機製作所専務取締役の浜出滋人さんは「当社の売上高海外比率は50%。TPPの影響でさらなる市場拡大が望める」と話し、宮崎県の河野俊嗣知事は、「日本からアメリカに輸出する牛肉の4割以上は宮崎県産。攻めるところは積極的に攻めたい。また、県内の企業の競争力強化や雇用創出につながり、経済活性化が期待される」と話しました。
会場の外では、どちらも、抗議行動の市民が多数集まりました。TPPの内容に関する抗議はもちろん、「TPPは国全体の問題なのに、なぜ公聴会がたった2箇所で、ごく一部の人しか入れないのか」「これで国民の声を聞いた、などと言わないでほしい」など、公聴会のやり方にも疑問・批判の声が多数上がりました。
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3.国会前 抗議行動に集まろう!
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28日強行採決は回避できましたが、依然として予断を許さない状況が続き、4日採決という声も聞こえてきています。来週も以下のとおり、抗議行動が行なわれる予定です。そんな横暴は許さない!という声を強く上げていきましょう!
★10月31日(月)の行動:
10時~15時 衆議院第2議員会館前座り込み
15時30分~17時30分 ジェーン・ケルシー教授による講演と意見交換
演題「アメリカを始め各国がTPP批准できない現状について」
問い合わせ先:TPP交渉差止・違憲訴訟の会 TEL.03-5211-6880 FAX.03-5211-6886
http://tpphantai.com/info/20160712-announcement-of-tpp-lecture-by-jane-kelsey/
★11月1日(火)の予定:
10時~ 衆議院第2議員会館前座り込み(終了時間は委員会の状況によります)
■■■31日は、ジェーン・ケルシー教授が参加する以下イベントも開催されます■■■
Stop TPP ミーティング ~ケルシー教授&山田正彦&三宅洋平
10月31日(月)17:30~21:30
場所:Social Club Tokyo(渋谷)
■■国会議員地元事務所への要請行動も並行してやっていきましょう!■■
(1)地元事務所への要請の意義
国会議員は、地元有権者の動向を見ています。とくに自民党議員は、2012年の「TPP断固反対、ウソつかない、ブレない自民党」という公約に反した行動をとっているわけですから、なおさらです。参議院選挙、新潟知事選挙に示された市民と野党の共闘の力は、「公約に違反してTPP批准に賛成した議員は国会に戻さない」という有権者の強い意志にも通じます。地元事務所への要請の大事な意義はここにあります。
(2)要請のためのグッズ
「要請」ならびに「10.15中央集会アピール」(※)、できればブックレット「そうだったのか!TPP 24のギモン」も手渡して、議員や秘書などに読んでもらいましょう。議員も、自分の目で協定を確かめないで、「国会決議に反していない」という政府・官僚の説明をうのみにしている可能性があります。
※こちらでダウンロードできます。
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4.TPPを批准させない!水曜日行動
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これまでTPP批准阻止に取り組んできた幅広いネットワークは、下記の通り、「TPPを批准させない!水曜日行動」として、毎週水曜日に院内外で行動を行なっています。国会情勢を知り、声を上げていくために、ぜひご参加ください。
◆野党議員による国会報告&議員会館前アクション
11月30日(水)までの毎週水曜日 ※11月23日は休み
●17時~18時・国会報告と意見交換(議員会館内会場)
●18時半~19時半・議員会館前抗議行動
●会場:
11月2日(衆院第二議員会館・多目的会議室)
11月9日(衆院第一議員会館・大会議室)
11月16日(衆院第二議員会館・多目的会議室)
11月30日(予定:衆院第一議員会館・多目的ホ-ル
●呼び掛け:TPPを批准させない!全国共同行動
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5. あの人もTPPに注目! ~高橋源一郎さん
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TPPに注目しているのは、私たち市民だけではありません。このコーナーでは、実はあの有名人もTPPに注目し、疑問を投げかけている! という発言を随時紹介していきます。ぜひツイッターやフェイスブックなどで拡散してください。
今回は、作家の高橋源一郎さん。ある講演の中で、次のように話しています。
「人口学者のエマニュエル・トッドは、TPPについて変わった観点を提示しています。経済的自由の推進は政治的自由を阻害する。『自由』という名の下に推進される政策の中に民主主義を破壊するおそろしい成分がある。これがトッドの考え方です。ぼくも同じように考えています」
「戦後68年目を迎え、この国はゆるやかに坂をおりていこうとしています。坂をおりていくことを拒む人たちは、もう一度坂を上がろうとして、その象徴が、強い国というスローガンであり、改憲によって普通の国になろうとする願望であり、TPPという名前でのグローバル経済への参入です。しかし、本当にそれが、坂をおりていこうとするこの国の未来に幸せをもたらすでしょうか。ぼくはその点に深い疑問を抱いています」
このコメントは、こちらで視聴できます。ぜひごらんください。
神奈川憲法アカデミア・シンポジウム
『岐路に立つ日本 -改憲・TPP・脱原発を考える-』(2013/07/05)
(TPPに関する発言は20:20ぐらいから)
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6. TPPで食の安全は守られるのか?
条文の分析から見えてきた真実
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TPPテキスト分析チームの山浦康明(明治大学)と内田聖子(アジア太平洋資料センター)のインタビュー記事が下記のサイトに掲載されました。子どもたちの食の安全について、TPP条文の分析を切り口に語っています。ぜひご一読ください。
★[子どもたちの食(3)]TPPで食の安全は守られるのか?条文の分析から見えてきた真実
このサイトには、ほかにもTPPに関わるインタビュー記事が掲載されています。こちらもぜひご一読ください。
★[子どもたちの食(1)]TPPの脅威から、どうしたら日本の米を守れるのか?
★[子どもたちの食(4)]TPPって、“生きること”が大事にされていない―枝元なほみさん
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7. 大好評で6万部突破!
ブックレット「そうだったのか!TPP」
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TPPテキスト分析チームが8月に刊行したブックレット「そうだったのか!TPP」は、発売以来、全国から注文が相次ぎ、増刷を続け6万部に達しています。学習会などでご利用いただいていますが、まだまだ多くの方にお読みいただきたいと願っています。
※TPPの中身をわかりやすく、24のQ&A方式でまとめています。学習会やイベントでTPPの問題を考えるテキストとしても最適です。
※本ブックレットは、1部100円(送料別、注文は5部以上)で販売しております。また全ページ、PDF版で閲覧可能です。
ぜひお読みいただき、TPPについて考えるきっかけとしてご利用ください!
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■■■TPPテキスト分析チーム■■■
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編集後記
今回は土曜日配信となってしまったことをお詫び申し上げます。さて、「強行採決」発言の山本有二農林水産相のさまざまな疑惑が次々に噴出しています。米の売買同時入札(SBS)を巡る不正取引問題で農水省の調査対象となっていた輸入業者や卸売業者から資金提供を受けていたそうです。また、国土交通省と高知県が発注した工事の官製談合で指名停止となった建設会社の役員からも政治献金を220万円受けていたとか。さらに、昨年11月には、地元の「JAまつり」で「TPP交渉『大筋合意』撤回」という署名にサインしていたという無節操ぶりも判明。「金や票になるならサラ金業者の代弁でもなんでもやるタイプ」という声も聞こえてきます。こんな人がなぜ農林水産大臣なのでしょうか・・・。怒りを通り越して、開いた口が塞がりません。(柴田麻里)
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【編集】アジア太平洋資料センター(PARC) 内田聖子/柴田麻里
【発行】TPPテキスト分析チーム
●毎週火曜日・金曜日発行
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