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2016年10月11日火曜日

【そうだったのか!TPP-Q5】アメリカの大統領候補も反対なんでしょ?

Q5.アメリカの大統領候補も反対なんでしょ?

A5.さらなる要求を押しつけられるかもしれません


 確かに、アメリカ大統領選の候補者であるヒラリー・クリントン(民主党)もドナルド・トランプ(共和党)もTPPに反対しています。背景には、アメリカ最大規模の労働組合や環境団体などがTPPに反対し民主党議員に強く働きかけていることや、北米自由貿易協定(NAFTA)での雇用喪失の教訓、さらに政府が出したTPP影響試算もほとんど経済効果がなかったことなどがあります。


 しかしどちらが大統領になったとしても、TPPが完全に葬り去られる可能性は五分五分でしょう。クリントンは以前に「再交渉する」とも述べており、トランプも就任後は産業界からの圧力によって完全にTPPを破棄できないかもしれません。再交渉となれば、日本には関税のさらなる引き下げや、畜産農家への補助政策の廃止、保険・共済などの分野でアメリカからさらなる要求を突きつけられる可能性があります。


 再交渉とならなくても、アメリカは「承認手続き」を用いて、署名から発効までの間に相手国の国内法や規制をチェックし、変更を求めてくることも考えられます。アメリカは中南米の国々とのFTAの中で数々の要求を行い、相手国の国内法を変えさせてきたのです。

 さらに、TPP交渉と並行して進んできた日米並行協議も危険です。TPPを再交渉に持ち込まなくても、2国間の交渉でアメリカが日本に求める内容を実現させることができるのです。ここで決めた規制緩和などの内容をTPP発効前に日本が実行してしまえば、TPPがなくなっても元に戻すことはほぼ不可能です。(内田聖子)

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